抑止力としてのパンデミック

「国家安全維持法」により香港は既に勝敗が決していますが、台湾問題へのインパクトが大きい。世界中の混乱を尻目に、東シナ海から南シナ海までの西太平洋のパワーバランスは、中国優勢に大きく傾きつつあります。

チベット化する香港

「香港国家安全維持法」が7月1日から施行されました。ここでは、香港が中国の完全支配下に置かれた事を前提に、複層的に香港の今後をざっくりと読み解いていきたいと思います。

ASEAN and post-Cold War Balance of Power

The purpose of this paper is to provide a reassessment to the question what ASEAN is, and what it will become. ASEAN functioned as a “security regime,” which halted intra-mural tensions with common perception of threat derived from the superpower rivalry

WWDC基調講演に見るAppleの対中配慮

Apple最大のイベントであるWWDC(World Wide Developer Conference)が今年も開幕しました。ここでは如何にAppleが中国マーケットに配慮した製品開発を行っているかという、ニッチな話題を掘り下げたいと思います。

書評「幸福な監視国家・中国」

梶谷懐・高口康太両氏による本書「幸福な監視国家・中国」(NHK出版)は、コロナ禍の前、2019年8月に出版された。中国の監視社会を功利主義から読み解き、利便性のために中国国民は進んで監視社会を受け入れている実像を解き明かしつつ、アルゴリズムによる公共性の躍進は「決して他人事ではなく、より大きな『近代的統治の揺らぎ』として、人類に共有されつつある今日的課題として捉えるべき」(p.208)と警鐘を鳴らす良著である。

北朝鮮の存在意義

(2002年3月15日の政治日記より抜粋) 道義的問題はともかく、北朝鮮は歴史的に見て、実は東アジアの安定に必要不可欠な存在である。現実主義理論には「緩衝地帯」という考えがあるが、北朝鮮がそれにあたる。緩衝地帯が存在する […]